カテゴリ:長岡の近代建築( 12 )
長岡の近代建築 その12 -吉乃川・常倉-
醸造の街・摂田屋に存する酒蔵・吉乃川の「常倉」です。
・大正12年(1923年)頃建築
・RC造2階建て 小屋組み鉄骨トラス
私の知りうる限りでは、長岡市内においてRC造で大正10年に建設した長岡市庁舎に次ぐ古さで、現存で最古ではないでしょうか??、県内でも初期のRC造建築だと思われます。
現在は一部2階建ですが、資料によると当初は全面2階建で、2階床は小屋組みの鉄骨トラスから吊るす形式を採っていたそうです。
写真は先日蔵開きで一般開放された時に撮影したもので、ジャズ演奏会場に使用されていました。歴史ある天井の高い大空間にジャズの音色と美味しいお酒の試飲が付加されて楽しいひとときでした。


↓ コンサート会場に使用された常倉の大空間。越屋根から降り注ぐ光がいいです。
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↓ 天井の色はコンサートの演出照明によるもの。鉄骨トラスに支えられた屋根もRC造です。
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↓ 現在は製造されていない亀甲網入りのガラス。建設当初のオリジナルでしょうか。
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↓ 4月現在のファサード。まだ緑の蔦に覆われていません。
  上に見える越屋根は採光換気用。
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↓ 街路に面して緑の蔦に覆われたファサード。この界隈のシンボル的存在です。
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by beech-beech | 2012-04-28 14:34 | 長岡の近代建築 | Comments(0)
長岡の近代建築 その11 -星野邸-
袋町に建つ住宅です。
・大正15年(1926年)竣工
・RC造2階建て
・設計:星野三治/星野建築事務所
設計者の事務所兼自宅として建設されました。
外壁部に施された「建築」と「ARCHITECT」の文字がとても印象的で、設計者の思いを伺うことができます。
同時期に建設された建築としては、先に揚げた旧中島浄水場の建築群の他に旧長岡駅舎や厚生会館の位置にあった長岡市公会堂、現中央図書館附近にあった科学工業博物館があり、いずれもRC造の建築です。
現在住まわれているご主人(設計者の御子息)に戦災についてお聞きしたところ、前面道路を挟んでなんとか戦火を免れたとのこと。大正期の数少ない近代建築、これからも元気に生き続けて欲しい素敵な建築です。



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by beech-beech | 2009-04-10 23:45 | 長岡の近代建築 | Comments(3)
長岡の近代建築 その10 -旧中島浄水場/ポンプ棟・監視棟・自家発電棟-
配水塔と同じく旧中島浄水場に建つポンプ棟・監視棟・自家発電棟です。
・大正15年(1926年)竣工
・設計:浄水場の全体計画は近代水道の父・中島鋭治が指導
ポンプ棟及び監視棟はRC造で、クラシカルな外部の装飾が印象的です。
自家発電棟もRC造ですが小屋組みは鉄骨造・フレンチトラス。ポンプ棟・監視棟と比較するとファサードはシンプルです。
ポンプ棟の内部は天井廻りに施されたモールディング・床のタイル・真鍮の手摺等が印象的で、質の高い空間を有しています。

↓ ポンプ棟ファサード
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↓ ポンプ棟ファサード
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↓ ポンプ棟内部
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↓ ポンプ棟内部
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↓ ポンプ棟内部
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↓ ポンプ棟内部
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↓ 監視棟ファサード
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↓ 監視棟ファサード
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↓ 自家発電棟ファサード
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↓ 自家発電棟内部
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by beech-beech | 2009-04-08 22:22 | 長岡の近代建築 | Comments(2)
長岡の近代建築 その9 -旧中島浄水場/配水塔-
信濃川沿いに建つ水道タンクです。
・大正15年(1926年)竣工
・設計:浄水場の全体計画は近代水道の父・中島鋭治が指導
・水槽部:鋼製(有効容量600立方メートル)  基部:RC造  高さ:41.5m
長岡市内に現存するRC造の建造物としては、私の知っている限りでは旧長岡貯蓄銀行宮内支店に次いで二番目に古いと思われます。(※平成8年に改修が行われています)
平成5年に中島浄水場の運転休止により水道施設としての役割を終えましたが、現在も長岡のシンボル的存在として親しまれ、国の登録有形文化財に指定されています。


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by beech-beech | 2009-04-07 19:40 | 長岡の近代建築 | Comments(3)
長岡の近代建築 その8 -大和デパート長岡店-
大手通りの角地に建つ老舗デパート大和です。
・昭和33年(1958年)竣工
この場所には長岡の市庁舎が建っていましたが昭和30年に柳原に移り、その跡地に大和デパートが建設されました。昭和33年竣工は厚生会館と同じ年にあたります。
屋上の遊園地はモノレールなどがあり子供たちのパラダイスで古き良き時代でした。
建設当時の写真をみると、コーナーの緩やかなアールと水平連続窓が印象的で、石本喜久治の白木屋百貨店を想起させる意匠です。
平成2年に全面改装されたので、現在の外観は当時の面影はありません。
現代の百貨店等の店舗構成は内部の陳列レイアウトをやり易くするために外壁から開口部を無くしてしまう方法が主流のようですが、外との関係は分断されてしまいます。その違いは下の2枚の写真を見ると一目瞭然です。


↓ 建設当時 (「長岡歴史事典」より) ※廻りに高い建物はありません。
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↓ 現在の外観
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by beech-beech | 2009-03-21 17:33 | 長岡の近代建築 | Comments(2)
長岡の近代建築 その7 -長岡文化会館・長岡現代美術館-
坂之上町に建つ現・長岡商工会議所の建物です。
・昭和39年(1964年)竣工
・設計、施工は清水建設らしい(定かではありません)
1階には知る人ぞ知る日本で最初の現代美術館である「長岡現代美術館」がありました。
大光相互銀行(現・大光銀行)の社長であった駒形十吉によって収集された作品群(大光コレクション)が展示されていました。また、「長岡現代美術館賞」を制定し候補作品を集め針生一郎や東野芳明など著名な美術評論家などによる公開審査も開催されていました。
前面道路に面する外部空間は、石と白砂によるストイックな庭そして壁面の造形作品で構成されており、とても魅力的で誇るべき質の高い空間を有しています。
この造形作品の作者が不明でずっと気になっていたのですが、県立近代美術館の学芸員にお聞きしたところ、壁面の造形作品は日本の戦後美術の偉大な前衛芸術家であった斎藤義重の作品「大知浄光」だそうです。作品名の頭と尻に「大光」の文字を入れています。前面の作庭にもおそらく関わったのではないかというお話でしたが定かではありません。
長岡現代美術館はその後、大光相互銀行の経営上の事情などから昭和54年(1979年)頃には休眠状態となり、大光コレクションも売却されることとなりました。


↓ 街の財産である外部空間は健在です。訪れた人がこの作品の作者が誰かちゃんと判るようにして欲しいものです。
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↓ 「CONTEMPORARY ART NAGAOKA」の文字が当時の面影を残します。
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by beech-beech | 2009-02-18 22:04 | 長岡の近代建築 | Comments(5)
長岡の近代建築 その6 -国立雪害実験研究所-
栖吉町にある雪害研究施設。
現「雪氷防災研究センター」です。
・昭和39年(1964年)竣工
・設計:建設省関東地方建設局営繕部
・施工:第一建設工業
・RC造2階建
・1階~定温室 2階~研究室

屋上とエントランスキャノピーに設けられた、昆虫の脚のような雨水の排水溝が印象的です。
竣工時の写真では増築端が設けられており、同じデザインで増築を想定したと思われます。
また、排水溝部分は打ち放し仕上げだったようですが、現在は塗装により補修されています。


↓ 建設当時 (「長岡市政100年のあゆみ」より)
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↓ 現在の外観
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by beech-beech | 2009-02-14 13:29 | 長岡の近代建築 | Comments(4)
長岡の近代建築 その5 -北越銀行本店-
近代建築の範疇を高度経済成長期の後半である東京オリンピック辺りということで昭和40年前後までとすると、北越銀行はこの最後の時期に位置しています。
・昭和40年(1965年)竣工
・設計:松田平田設計事務所
・施工:清水建設
外壁は白大理石貼。シンプルな形ですが力強さとしっかりとしたディテールが備わり、しかも非常に建物が美しく保たれ、大手通りの中で一番の風格を示しています。
北越銀行の前身である六十九銀行の建築に負けない存在だと思います。


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by beech-beech | 2009-02-05 23:59 | 長岡の近代建築 | Comments(3)
長岡の近代建築 その4 -立川病院-
表町に建つ病院建築。
年代的には柳原旧庁舎や厚生会館が建った頃になります。
・昭和31年(1956年)竣工
・RC造7階建
・設計:加賀田組
・施工:植木組
建設当時は中高層建築がほとんどない中でおそらく異彩を放っていたことが想像できます。
その後、立川病院の表町診療所となり、平成19年に閉鎖しました。



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by beech-beech | 2009-02-03 23:57 | 長岡の近代建築 | Comments(0)
長岡の近代建築 その3 -善行寺-
本町にあるお寺・善行寺の本堂。
長生橋と同年代の昭和12年(1937年)竣工。
RC造で木造の繊細な意匠を表現しています。
設計は佐々木岩次郎(伊東忠太と平安神宮を設計)。
構造設計は内藤多仲(東京タワーや通天閣を設計した構造家)。
戦災を免れ最近まで現存していましたが、残念ながら2007年に取り壊されました。
写真は2007年の街歩きで撮ったもので、側面の写真しかありませんでした。
これだけ複雑な形状をコンクリートで打設したことに驚きです。


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by beech-beech | 2009-02-01 21:35 | 長岡の近代建築 | Comments(0)